医療法人社団 みずうち産科婦人科

所在地
〒078-8234 旭川市豊岡4条3丁目2-5
アクセス
旭川駅から車で10分 / 旭川四条駅から車で5分
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0166-31-6713
診療時間
9:00〜 18:30 18:00 休診 18:30 18:00 12:30
昼休み(採卵) 12:30~15:00
水曜日、第5土曜日、日曜日、祝日は休診

治療について

不妊症の治療について

ご夫婦のお気持ちを尊重した丁寧な治療をいたします

妊娠する、ということは、いまだに不明のことが多く、医療でできることは限られています。私たちはなかなか妊娠しない方に対して、妊娠する確率を上げるためお手伝いさせて頂いております。あくまでも確率を上げるための処置、治療であり、それらをしなくても妊娠することはあるかもしれません。しかし、不妊症という診断がついたということは、自然に任せていると妊娠する確率が低い、ということになります。 3年妊娠しない方は自然に任せても、その後の1年で妊娠する方はごくわずかです。95%以上の方は妊娠しません。しかし、まれには自然妊娠する方がいることも事実です。そのまれな事に賭けるか、妊娠する率を上げるため積極的に治療をすすめるかはご夫婦の考え方によります。しかし、まれなことに賭けることにより、時間だけが経過し、次の高度な医療に進むことを考えた時には、ますます妊娠しにくい時期に来ていたということもあります。

人工授精まで、または体外受精までしなくてもいいと言う方が時にいらっしゃいますが、その段階まで達した方では、ステップアップをしなければ確率的には難しいレベルに入ったということです。ステップアップするかしないかは、ご夫婦の考え方によりますので、こちらから強制することはもちろんありません。ステップアップの段階に来られた場合には、上記のことを参考にご夫婦でよくお考え頂きたいと思います。

不妊症の治療の流れ

できるだけ自然妊娠に近い形で「ステップアップ治療」でサポートいたします

当院では来院後、妊娠する方は、6か月で約半数の方が妊娠し、1年で約8割の方が妊娠しています。しかし、それでも妊娠しない方は、ステップアップしていかなければ、妊娠する確率は非常に少ないものとなります。あくまでも確率です。カップルによっては自然妊娠も不可能ではないかもしれませんが、確率は非常に低いということです。当院は段階を経て、ステップアップしていくことを基本としています。病院によっては、体外受精に早くステップアップしていく所もありますが、当院はできるだけ高度医療を行わずに妊娠できるようお手伝いさせていただいています。しかし、現実的にはそれでも通常の不妊治療では妊娠が極めて困難なことがあります。その方々には、ぜひ妊娠して、二人の赤ちゃんを抱きたいということであればステップアップを勧めています。

ステップアップ治療

できるだけ高度医療を行わずに、自然妊娠に近い形で妊娠できるよう、当院での不妊治療は、段階を経て「ステップアップ」していくことを基本としています。

不妊症治療の種類

不妊症治療は 「一般不妊治療」 と 「高度生殖医療」 の2つに大別されます

「一般不妊治療」は、ご自身の卵管を使用した治療です。「タイミング法」や、それと合わせて行う「排卵誘発」、また子宮に精子を送り込む「人工授精」などがあります。それに対し、「高度先進医療(高度生殖医療)」では、体外で受精卵をつくり子宮に戻す「体外受精」、一匹の精子を卵子に注入する「顕微授精」などがあげられます。タイミング法で妊娠せず、さらに人工授精でも妊娠しない時は、体外受精を行うことになります。従来、両側の卵管が閉塞していたり、子宮外妊娠などで両側の卵管を摘出された場合には、妊娠をあきらめるしかありませんでした。しかし現在は、日本で生まれる赤ちゃんの19人に1人は体外受精児であるほど、体外受精での出産は一般的なものとなりました。当院ではこの「高度先進医療(高度生殖医療)」に対応している、道内でも数少ない医院のひとつです。

一般不妊治療

タイミング法

自然妊娠率は、2-3日ごとに夫婦生活をすると一番高くなるといわれています。しかし、卵子と精子の寿命などに関連して、ベストなタイミングがあります。卵子の寿命は実は排卵後半日から1日程度しかありません。一方で精子は女性の体内では7日間程度は生存することができます。つまり先に精子を子宮へと送り込んでおき、卵子が排卵されてくるのを待たせておくのがベストなのです。基礎体温を測っているだけでは、このタイミングの見極めは困難です。卵巣内の卵胞の大きさを超音波検査で計測するなど、正確に排卵日を予測し、よいタイミングを見極めることが大切です。

尿中LHチェック(排卵検査薬)とは
尿中の黄体刺激ホルモン(LH)の検査です。排卵時には「LHサージ」という現象(黄体刺激ホルモン(LH)が急激に分泌される現象)が起きるので、検査キットを用いてLHが最も強い反応を示す日を探すことでタイミングの見極めに役立ちます。
尿中LH検査(排卵検査薬)の精度
尿中LHは血中LHが分泌されてから12時間以内に増量してきます。しかし、排卵とは関係なく陽性になることもあります。多嚢胞性卵巣症候群、早発閉経などの時や閉経時には尿中LH検査は排卵の時期でなくても陽性になることがあります。LHが陽性であっても、陽性に出た7〜13日後でもまだ排卵はしていないことが7%くらいあり、陽性でも排卵がないこともあるということを知っておいたほうがいいでしょう。また、尿中LHの自己診断ではLHが陽性にならない例が33%もあり、タイミングを図ることができなかったとの報告もあります。つまり、尿中LH自己診断だけでは排卵のタイミングを見逃すことがあり、尿中LHはあくまでも診断の一つの参考であり、超音波や頸管粘液などで総合的に判断した方が正確であるといえます。

排卵誘発

薬で排卵をうながす方法です

タイミング法や体外受精など、その他の治療とあわせて、少しでも妊娠率を向上させるためによく使用されるのが、排卵誘発剤です。経口薬、注射薬など様々な方法があります。薬を使用すると胎児に影響があるのでは、と抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、心配はありません。排卵誘発剤は卵巣を刺激しますが、卵子には直接作用しないからです。むしろ排卵誘発剤は基礎体温を安定させたり、黄体機能を高めたりと良い作用が多い薬です。

経口排卵誘発剤

クロミフェン(クロミッドなど)、サイクロフェニール(セキソビット)、レトロゾール(フェマーラなど)が経口剤として使われています。これらの薬は下垂体からFSHの分泌を促進させ、排卵を促します。クロミフェンは排卵誘発剤として最も多く使用されている経口剤です。サイクロフェニールは排卵誘発の効果はクロミフェンに比較し弱いですが、子宮内膜や頚官粘液への悪影響が少ないとされています。
レトロゾールは排卵誘発剤としては認可されていませんので日本では保険が適用されず、自費となります。多嚢胞性卵巣症候群ではクロミフェン無効例にも排卵が起ることもあります。その他の利点としては子宮内膜がクロミフェンより薄くならないことや、クロミフェンに比較し多胎妊娠が少ないことです。

注射薬 「rFSH、hMG製剤」

注射薬の排卵誘発剤では「hMG製剤」がよく使われています。卵巣を刺激するホルモン(FSH)と同じ作用がある薬で、卵巣に直接はたらいで、卵胞の発育をうながします。同じ排卵誘発剤でも、経口薬に比べて作用が強いという特徴があり、一般不妊治療の時のように単一の排卵を促したいのか、体外受精の時のように卵子を沢山得たいのかなど、目的にあわせて、量を微調整して使用する必要があります。

※hMG製剤には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という副作用が現れる可能性がありますが、現在では稀です。
排卵後、腹部膨満感や下腹痛、尿量の減少などの症状があれば、すぐ医師に伝えてください。

人工授精

人工授精とは

人工授精とは、子宮内に直接、精子を注入することにより、卵管に多数の精子が到達しやすい状態にし、卵と受精する機会を増やす方法です。人工という言葉がつきますが、簡単に言うと子宮内に精子を多数送り込むだけの手技であり、体外受精に比較すると、極めて単純な手技です。また、排卵誘発剤を使用しながら人工授精を行うと、妊娠率が2倍ほど上昇することがいくつかの論文から明らかになっており、当院でも患者様とご相談の上併用して治療を行っております。

当院では「洗浄・濃縮法」を採用しています

当院では、精子の洗浄・濃縮法を行っており、採取された精子を洗浄した後、濃縮して、濃度の濃い精子を子宮内に注入しております。採取された精液をそのまま注入すると、細菌やゴミまで子宮内に注入されることがあり、また、十分な数の精子を注入できません。精液は通常2ml以上射出されますが、子宮内に注入することのできる量は、0.3ml程度です。(それ以上は腹痛等の原因になります)つまり、濃縮しない場合には、2ml射出されても注入されるのは0.3mlですので、採取された精子の10分の1程度しか子宮内に注入されないことになります。洗浄・濃縮法では、採取された精子で元気のいい精子はすべて子宮内に注入されますので、卵管、卵に到達する精子の数が増加し、妊娠率は高くなります。

採取した精子を洗浄して綺麗にし、濃縮することで、そのまま注入する場合よりも10倍近くの精子を注入することが可能になります。

人工授精の妊娠率について

人工授精は5-6回までは回数が増える毎に累積妊娠率は上昇しますが、それ以上の回数では妊娠する率は低くなります。つまり、5-6回の人工授精を行っても妊娠しない場合には、それ以上行っても妊娠する確率は非常に低いということです。当院でも同様の結果でした(下記グラフ参照)。人工授精の回数は不妊期間、年齢その後の体外受精なども考慮し、決めるのがよいと思います。

人工授精の累計妊婦率

人工授精の回数

人工授精から次のステップ(体外受精)へ進むタイミングは?

通常は5-6回で妊娠しない場合には体外受精に進みますが、不妊期間が3年以上の場合や38歳以上の場合は3回ほどで体外受精に進む事も考えた方がいいかもしれません。人工授精を行っても妊娠しない場合の原因としては子宮卵管造影では明らかではない卵管周囲の癒着や、卵管が卵子を取りこむピックアップ機能の低下、受精障害などが考えられます。

できればタイミング法だけで産みたいけど…どのくらいを目安に人工授精にステップアップすべきですか?

人工授精は卵管の通過に異常がない場合に行われます。1回の人工授精の成功率は10%前後と言われており、それ程高い成功率ではありません。しかし、人工授精を行わなければならないような方は、人工授精をしなければ妊娠率はさらに低いものとなり、3年間不妊の方はタイミングでは1周期あたり2%しか妊娠しないとされています。98%の方はタイミングだけでは妊娠しないことになります。また、イギリス産科婦人科学会のガイドラインでは、妊娠を希望してから2年間で92%の方が自然しますが3年間では93%、と2年目から3年目にかけては1%しか増えません。人工授精に進むことにためらっている方も時にいらっしゃいますが、2年以上妊娠しない場合はタイミングだけでは妊娠率は非常に少ないことも知っておいて頂きたいと思います。

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